不動産投資に回せるお金の考え方

銀行預金を不動産投資に回す前に、預金を次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

近いうちに使うお金

日常生活費、税金、住宅費、車の買い替え、子どもへの援助など、数年以内に使う予定があるお金です。この部分は、すぐに引き出せる預金として残しておくことが基本になります。

予想外の支出に備えるお金

病気、介護、自宅の修繕、家族の事情など、時期や金額を予測しにくい支出に備える資金です。50代・60代では、収入が減少した後でも対応できる金額を考えておく必要があります。

長期間使う予定のないお金

当面の生活や緊急時に使わない資金であれば、不動産投資に回せる可能性があります。ただし、長期間使わない予定でも、全額を1つの物件へ集中させる必要はありません。

購入後の修繕費や空室に備える資金も含めて、余裕のある計画を立てることが重要です。

家賃収入ではなく手残りを見る

不動産投資を検討するときは、広告に掲載されている家賃や表面利回りだけで判断しないようにしましょう。

実際に手元へ残る金額を確認するには、家賃収入から次のような支出を差し引く必要があります。

  • ローンの返済
  • 管理会社への委託費
  • 管理費や修繕積立金
  • 固定資産税や都市計画税
  • 火災保険や地震保険の保険料
  • 設備交換や原状回復の費用
  • 入居者募集にかかる費用
  • 空室によって入らなかった家賃

修繕に使ったお金についても、税務上、すべてを支払った年の必要経費にできるとは限りません。物件の価値を高めたり、使用できる期間を延ばしたりする工事は、資本的支出として減価償却する場合があります。

50代・60代からの不動産投資が向いている人

次のような人は、預金の一部を不動産投資に回す余地があると考えられます。

  • 購入後も十分な生活資金を残せる
  • 空室や修繕が発生しても返済を続けられる
  • 物件の収支を自分で確認できる
  • 短期間で売却する必要がない
  • 定年後の収入と返済額を把握している
  • 家族と資産管理や相続について話し合っている

反対に、老後資金のほとんどを使わなければ購入できない人や、家賃収入がなければ日常生活が成り立たない人は慎重に判断したほうがよいでしょう。

銀行預金を持ち続けることも選択肢

預金を不動産投資に回さないことが、必ずしも消極的な判断とは限りません。銀行預金には、必要なときに使いやすく、価格変動を気にせず保有しやすいという役割があります。

不動産投資を始める場合も、預金をすべて物件に変えるのではなく、生活費や緊急予備資金を残すことが大切です。

50代・60代では、資産を増やすことだけでなく、今ある資産を大きく減らさないことも重要になります。「預金では増えにくいから」という理由だけで急がず、購入後の生活まで含めて判断しましょう。