不動産投資は本業を続けながら取り組める

不動産投資と聞くと、入居者からの問い合わせや家賃の集金、設備故障への対応を、所有者がすべて行うイメージを持つかもしれません。

しかし、賃貸物件の日常的な管理は、賃貸管理会社へ委託できます。

管理会社へ依頼できる主な業務は次のとおりです。

  • 入居者の募集
  • 賃貸借契約の手続き
  • 家賃の集金や滞納への対応
  • 入居者からの問い合わせ対応
  • 退去時の立ち会いや原状回復
  • 設備故障や修繕の手配

管理委託料は発生しますが、本業を続けながら物件を保有しやすくなります。定年後も、入居者と直接やり取りする負担を抑えながら家賃収入を目指せます。

ただし、管理を委託しても、所有者として収支や物件の状態を確認する必要はあります。管理会社へ任せきりにせず、定期的に入居状況や修繕内容を確認することが大切です。

定年後の収入源に向く物件の考え方

老後の収入を目的とする不動産投資では、短期間で大きな売却益を狙うよりも、入居者が長く見つかりやすく、家賃収入を継続しやすい物件を選ぶことが重要です。

賃貸需要が続きやすい立地か

家賃収入は、入居者がいて初めて発生します。そのため、物件価格や利回りだけでなく、その地域に住みたい人がいるかを確認する必要があります。

駅からの距離、通勤や通学の利便性、周辺の企業や学校、商業施設、医療機関などを確認します。

人口が多い地域であっても、単身者向けの需要が強いのか、家族向けの需要が強いのかによって、適した間取りは異なります。

物件そのものを見るだけでなく、どのような入居者が住む地域なのかを把握することが大切です。

周辺の家賃相場から無理のない収支を考える

不動産会社から提示された家賃が、今後も同じ金額で続くとは限りません。

近隣にある同じような広さ、築年数、駅距離の物件を調べ、実際にどの程度の家賃で募集されているかを確認します。

購入時に想定された家賃よりも低い金額でしか入居者が決まらないと、毎月の収支が悪化します。

現在の家賃だけでなく、家賃が下がった場合でもローンや管理費を支払えるかを試算する必要があります。

建物の管理状態や修繕履歴を確認する

中古マンションやアパートを購入する場合は、建物の管理状態や修繕履歴も重要です。

外壁、屋上、給排水設備、エレベーターなどには、将来まとまった修繕費がかかる可能性があります。

区分マンションの場合は、修繕積立金の残高や長期修繕計画も確認します。修繕積立金が不足していると、将来の値上げや一時金の負担が発生する場合があります。

購入価格が安くても、修繕負担が大きければ、家賃収入が残りにくくなります。

定年後も保有し続けやすい物件か

現役中は問題なく返済できても、定年後に収支が悪化しては、老後の収入源として活用しにくくなります。

完済時の年齢、定年後の返済額、管理費や修繕積立金の上昇などを確認し、給与収入が減った後でも保有を続けられるかを考えます。

定年後の家賃収入を目的とするなら、購入時点の利回りだけでなく、10年後、20年後の収支まで確認する必要があります。

表面利回りよりも実際の手残りが重要

不動産広告では、物件価格に対する年間家賃収入の割合として、表面利回りが表示されることがあります。

しかし、表面利回りには、管理費、修繕費、税金、空室などが反映されていません。

たとえ表面利回りが高くても、入居者が決まりにくい物件や、維持費が高い物件では、手元に残る金額が少なくなる可能性があります。

不動産投資では、次の項目を含めて収支を確認します。

  • 想定される年間家賃収入
  • 空室期間を考慮した実際の収入
  • ローンの元金と利息の返済額
  • 管理費や修繕積立金
  • 管理委託料
  • 固定資産税などの税金
  • 設備交換や原状回復の費用

定年後の収入源として不動産を持つのであれば、家賃の総額ではなく、これらを差し引いた後に毎月いくら残るかが重要です。