肝機能とは何か

肝臓は重量約1〜1.5kgの体内最大の臓器で、「化学工場」とも呼ばれます。主な機能は①栄養素の代謝・貯蔵、②アルコールやアンモニアなど有害物質の解毒、③胆汁の産生、の3つです。症状が出にくいため、健康診断での早期発見が重要です。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、異常があっても自覚症状が出にくいのが特徴です。

出典:新潟大学医歯学総合病院

健康診断でチェックされる3つの指標(AST・ALT・γ-GTP)

肝細胞が傷つくとAST・ALT・γ-GTPが血液中に漏れ出し、数値が上昇します。

指標基準値(目安)特徴
AST(GOT)30 U/L以下肝臓・心筋・骨格筋に広く分布
ALT(GPT)30 U/L以下ほぼ肝臓にのみ存在し特異性が高い
γ-GTP50 U/L以下胆管細胞に多く、アルコールに敏感

出典:ひまわり内科・皮フ科クリニック、健診会東京メディカルクリニック

ALTはほぼ肝臓にのみ存在し、肝臓の状態を最も直接的に反映します。ASTは心筋や骨格筋にも含まれるため、ASTのみ高い場合は肝臓以外の原因が考えられます。γ-GTPはアルコールに敏感で、飲酒量が多いと単独で上昇しやすいです。

数値が高くなる主な原因

  • 過剰なアルコール摂取:処理しきれないアルコールが脂肪肝やアルコール性肝炎につながります。
  • 脂肪肝:肥満・過食・運動不足で肝臓に脂肪が蓄積した状態で、放置すると肝硬変リスクが高まります。
  • ウイルス性肝炎・薬剤:B型・C型肝炎ウイルスや、薬・サプリが原因となる場合もあります。

出典:千葉県

肝機能の検査値が気になる方の生活習慣チェック

初期段階では、生活習慣の見直しにより検査値の改善が見られる場合があると、医療機関により紹介されています。

  • 節酒と休肝日:1日の純アルコール量は約20g(日本酒1合相当)を目安に、週1〜2日は飲まない日を設けます。
  • 食事の見直し:たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)は体の組織を構成する主要な栄養素です。野菜・海藻の食物繊維も合わせて摂り、脂質の過剰摂取は控えます。
  • 有酸素運動:週3〜4回・30分程度のウォーキングや軽いジョギングが、肝機能の検査値を意識する際に紹介される生活習慣として挙げられています。

出典:西日本産業衛生会

まとめ

肝機能とは、肝臓が担う代謝・解毒・胆汁生成の総称です。AST・ALT・γ-GTPはいずれも肝細胞のダメージを反映する指標で、基準値はそれぞれ30・30・50 U/L以下が目安です。原因は飲酒・脂肪肝・ウイルスなど多岐にわたります。節酒・食事改善・有酸素運動は、検査値が気になる場合に医療機関で勧められる基本的な生活習慣です。気になる場合はかかりつけ医にご相談ください。