肝臓とはどんな臓器か
肝臓は人体で最も大きな臓器で、成人では重さが約1〜1.5kgほどあります。体重のおよそ50分の1を占め、右脇腹の肋骨の内側に収まっています。何千という酵素を使って体内で500以上の複雑な化学変化を実行しており、機能の多様さが際立っています。
出典:大塚製薬「肝臓の役割と肝臓の病気」、中外製薬「からだとくすりのはなし」
また、高い再生能力を持つ臓器としても知られており、実験では3分の2を切り取られた肝臓が約1週間で元の大きさに戻ることが確認されています。
肝臓の3つの主な働き
肝臓の主な働きは以下の3つに整理できます。
| 働き | 主な内容 |
|---|---|
| 代謝・栄養の貯蔵 | 食事の栄養素を体が使いやすい形に変え貯える |
| 解毒・分解 | アルコールや老廃物などを無害な物質に変える |
| 胆汁の生成・分泌 | 脂肪の消化を助ける胆汁を合成・分泌する |
食事で摂った糖質はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、必要なタイミングでエネルギー源として血液に放出されます。体内のアンモニアやアルコールは分解・無毒化され、排出できる形に変わります。また、食後には消化液「胆汁」が十二指腸へ分泌され、脂肪の消化・吸収に関わっています。
「沈黙の臓器」といわれる理由
肝臓は非常に高い代償能力を持ち、一部の細胞がダメージを受けても残りの細胞が機能を補い続けます。そのため、かなり進行するまで自覚症状が現れにくく、「沈黙の臓器」と呼ばれています。
症状が出にくいからこそ、健康診断などでAST・ALT・γ-GTPといった肝機能の数値を定期的に確認することが、早期把握に役立つと考えられています。
日常生活で意識したいポイント
過度のアルコール摂取・高脂肪食・過剰な糖質摂取などが肝臓に負担をかける主な要因とされています。日常生活で意識できるポイントをまとめます。
出典:日本郵便「アルコールだけじゃない?肝臓の健康を保つために気をつけること」
- 飲酒量を適度に: 週2日以上の休肝日を目安にする
- 食事バランスを整える: 揚げ物や糖質の過剰摂取を控え、野菜・たんぱく質をバランスよく取り入れる
- 十分な睡眠を確保する: 5〜8時間を目安に睡眠をとる
- 定期的に健康診断を受ける: 症状が出にくいからこそ、数値で定期的に状態を把握する
肝機能の数値に異常が見られる場合は、医療機関へ相談することをお勧めします。
まとめ
肝臓は体内最大の臓器として、代謝・解毒・胆汁生成という3つの主要な機能を担っています。500以上の化学変化を実行しながらも自覚症状が出にくい「沈黙の臓器」であるため、飲酒・食事・睡眠を日常的に意識しつつ、定期的な健康診断で数値を確認することが状態を把握する第一歩となります。
