カリウムの摂取量に関心を持った方や、食事内容を確認したい方向けに、基準値を整理します。「目安量」「目標量」「WHO推奨量」と複数の数値があり、どれを基準にすればよいか迷いがちです。この記事では3つの数値の違いと日本人の実態を確認します。
この記事でわかること
・「目安量」と「目標量」の違いと具体的な数値
・WHO推奨量(3,510mg)が日本基準と異なる理由
・日本人の平均摂取量と目標値のギャップ
目安量と目標量――2つの数値の違いを解説
目安量は、健康な人が欠乏を起こさないための最低限の推定値です。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人男性2,500mg/日、成人女性2,000mg/日と定められています。
出典:厚生労働省
同基準では「生活習慣病の発症予防」を目的とした区分として目標量も設定されています。成人男性3,000mg/日以上、成人女性2,600mg/日以上です。
WHO推奨量は2012年公表の国際基準で、男女とも3,510mg/日です。WHOガイドラインではこの値が成人の摂取量として示されており、日本の目標量より高い水準です。
性別・年代別カリウム摂取量の一覧
| 年齢区分 | 男性 目安量 | 男性 目標量 | 女性 目安量 | 女性 目標量 |
|---|---|---|---|---|
| 18〜49歳 | 2,500mg | 3,000mg以上 | 2,000mg | 2,600mg以上 |
| 50〜74歳 | 2,500mg | 3,000mg以上 | 2,000mg | 2,600mg以上 |
| 75歳以上 | 2,500mg | 3,000mg以上 | 2,000mg | 2,600mg以上 |
| 妊婦・授乳婦 | ― | ― | 2,000mg | ― |
成人は年代を問わず同一の数値が設定されています。妊婦・授乳婦の目安量は成人女性と同じ2,000mg/日です。
日本人の実態――目標値との差はどのくらい?
令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査によると、日本人成人の平均摂取量は以下のとおりです。
| 平均摂取量 | 目標量 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 成人男性 | 2,439mg/日 | 3,000mg以上 | 約600mg不足 |
| 成人女性 | 2,273mg/日 | 2,600mg以上 | 約400mg不足 |
食事摂取基準の目標量と比較すると、2019年時点のデータでは差があります。男性では約600mgのギャップが確認されています。全年齢平均は2,299mgと報告されています。
カリウム摂取量に関する留意事項
通常の食事から摂るカリウムは、腎臓が正常に機能していれば過剰になりにくいと言われています。一方、腎機能が低下している方はカリウムを排泄しにくくなるため注意が必要です。慢性腎臓病の方には1日1,500mg以下に制限するよう指導されることがあります。腎臓病・透析中の方は必ず医師の指示に従ってください。
まとめ
・目安量(欠乏防止):男性2,500mg・女性2,000mg/日
・目標量(食事摂取基準における区分名称):男性3,000mg以上・女性2,600mg以上/日
・WHO推奨量:男女とも3,510mg/日(日本目標量より高め)
・日本人の平均は目標量を男性で約600mg・女性で約400mg下回っている
・腎臓病・透析中の方は医師に相談のうえカリウム摂取量を管理すること
