AIやクラウドサービスの拡大により、データセンター関連株への関心が高まっています。なかでも注目されやすいのが、データセンターを動かすために必要な電力関連の企業です。

データセンターは、大量のサーバーを24時間稼働させる施設です。そのため、半導体だけでなく、電力、空調、冷却設備、通信インフラ、建設、不動産など、幅広い分野に関係します。

この記事では、データセンター電力株が注目される理由、関連銘柄を見るときのポイント、50代以上が投資を検討する際の注意点を解説します。

データセンター電力株が注目される理由

データセンター電力株が注目される背景には、AIの普及があります。

生成AIを動かすには、大量の計算処理が必要です。その計算処理を支えるのが、AIサーバーや高性能半導体であり、それらを大量に設置する場所がデータセンターです。

IEAは、世界のデータセンターの電力消費量について、2024年から2030年にかけてほぼ倍増し、2030年には約945TWhに達するとの見通しを示しています。(※1)

AIの普及でデータセンター需要が増えている

インターネット検索、動画配信、クラウド保存、企業システム、生成AIなど、私たちの生活や仕事はデータセンターに支えられています。

これまでもデータセンター需要は増えていましたが、生成AIの普及によって、より高性能なサーバーや半導体が必要になりました。その結果、電力消費量や冷却設備の重要性も高まっています。

データセンター投資で電力が重要になる理由

データセンターは、建物を作ればすぐに運用できるわけではありません。大量の電力を安定的に確保できることが重要です。

データセンターでは、サーバー本体だけでなく、空調や冷却設備にも電力を使います。停電が許されないため、非常用電源、蓄電池、送配電設備も必要です。

そのため、データセンター関連株を見るときは、半導体メーカーだけでなく、電力会社、発電設備、送配電、空調、冷却、建設、通信といった周辺企業にも注目が集まります。

データセンター電力株で見られやすい企業の種類

データセンター電力株と聞くと、まず電力会社を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし、関連する企業は電力会社だけではありません。主に以下のような分野があります。

  • 電力会社
  • 発電設備関連企業
  • 送配電設備関連企業
  • 蓄電池・非常用電源関連企業
  • 空調・冷却設備関連企業
  • 建設・不動産関連企業
  • 通信インフラ関連企業

データセンターの拡大でどの企業が恩恵を受けるかは、企業ごとの事業内容によって異なります。

電力会社だけを見ればよいわけではない

データセンター電力株を考えるとき、電力会社だけを見ればよいわけではありません。

電力需要が増えても、電力会社の利益がそのまま大きく伸びるとは限りません。燃料価格、規制、設備投資、送電網の増強、電力料金制度など、さまざまな要因が利益に影響します。

また、データセンター向けに強い企業は、空調や冷却設備、電源装置、建設、不動産、通信などにも存在します。

つまり、データセンター電力株を見るときは、「電力需要が増える」という大きなテーマだけでなく、「その企業がどこで収益を得るのか」を確認することが大切です。

高配当株・インフラ株として見るときの注意点

電力株やインフラ株は、高配当株として注目されることがあります。

しかし、配当利回りが高いからといって安全とは限りません。株価が大きく下がった結果として、見かけ上の配当利回りが高くなっている場合もあります。

高配当株として見る場合は、配当利回りだけでなく、利益の安定性、配当性向、財務状況、設備投資負担を確認しましょう。

データセンター関連株を検討するときのリスク

データセンター関連株には、いくつかのリスクがあります。

  • テーマ先行で株価が上がりすぎるリスク
  • 実際の売上につながるまで時間がかかるリスク
  • 電力供給や送電網の制約
  • 建設コストや金利上昇の影響
  • 競争激化による利益率低下

特にテーマ株は、ニュースで注目されたあとに株価が急騰し、その後に調整することがあります。投資する場合は、短期の値動きだけでなく、企業の収益力を確認しましょう。

テーマ性よりも企業ごとの収益性を見ることが大切

データセンター電力株は、AI時代のインフラ関連テーマとして注目されやすい分野です。

しかし、すべての関連企業が同じように恩恵を受けるわけではありません。電力需要が増えても、利益が伸びる企業もあれば、コスト負担が重くなる企業もあります。

50代以上が投資を検討する場合は、話題性だけでなく、業績、財務、配当、株価水準、NISAでの保有方針、分散投資のバランスを確認することが重要です。

データセンター電力株は魅力的なテーマですが、生活資金を守りながら、余裕資金の範囲で慎重に検討しましょう。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。

出典:
※1:IEA「Energy demand from AI」