「最近なんだか疲れやすい」「朝起きるのがつらい」「立ちくらみが気になる」――こうした不調の裏には、鉄分不足が隠れているかもしれません。とくに月経のある女性やダイエット中の方は、食事だけでは必要な鉄分を摂りきれないケースが少なくありません。そこで選択肢に入ってくるのが鉄分サプリメントですが、「ヘム鉄って何?」「フェリチン鉄が新しいって聞いたけど本当?」「いつ飲むのが正解?」と迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、鉄分サプリの種類・選び方から効果的な飲み方、医療機関との付き合い方まで、あなたにぴったりの鉄分サプリを見つけるための情報を網羅的にお届けします。

この記事でわかること
  • ヘム鉄・非ヘム鉄・フェリチン鉄の3種類の違いと、あなたに合ったタイプの見極め方
  • 失敗しない鉄分サプリの選び方4つのポイントと、効果を最大化する飲み方
  • サプリと医療のバランス――病院に行くべきタイミングと、食事改善との両立法

鉄分サプリが必要なのはどんな人?食事だけでは足りない理由

鉄分サプリを検討する前に、まず「自分は本当にサプリが必要なのか」を確認しましょう。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、日本人女性の多くは1日の鉄分推奨量(月経あり:10.5mg)に対して平均摂取量が7mg前後と、慢性的に不足しているのが実情です。

鉄分が不足しやすい人の特徴

以下に当てはまる方は、食事だけでは鉄分を十分に補えていない可能性があります。

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該当する人鉄分不足の主な理由
月経のある女性毎月の経血で鉄分が失われる。経血量が多い方はとくにリスクが高い
妊娠中・授乳中の女性胎児への鉄供給や母乳生成で鉄分の必要量が通常の約1.5〜2倍に増加
ダイエット中の方食事量の制限により、鉄分を含む食品の摂取量が全体的に減少
偏食・菜食主義の方吸収率の高いヘム鉄を含む肉・魚の摂取が少ない
成長期の子ども・10代身体の急速な発達に伴い鉄分の需要が増加
激しい運動をする方発汗や足底への衝撃による赤血球破壊(スポーツ貧血)で鉄が失われる

食事改善が基本ではありますが、上記に当てはまる方は食事だけではどうしても追いつかないケースがあります。そうしたときに、サプリメントが「補助」として力を発揮してくれるのです。

ただし、サプリメントはあくまで補助です。「サプリを飲んでいるから食事は気にしなくていい」という考え方は危険ですので、食事とサプリの両輪で鉄分不足に向き合う姿勢が大切です。

鉄分サプリの3つの種類を徹底比較|ヘム鉄・非ヘム鉄・フェリチン鉄

鉄分サプリを選ぶうえで最初に理解しておきたいのが、サプリに使われている「鉄の種類」です。大きく分けて3タイプあり、それぞれに特徴があります。

ヘム鉄(動物由来)

ヘム鉄は、豚レバーや赤身肉、カツオなどの動物性食品に含まれる鉄の形態です。タンパク質に包まれた構造を持つため、胃腸への刺激が少なく、吸収率も高いのが特徴です。日本で市販されている鉄分サプリの多くはこのヘム鉄タイプで、初めて鉄分サプリを試す方にも使いやすい選択肢です。

非ヘム鉄(植物由来)

非ヘム鉄は、ほうれん草や大豆、プルーンなどの植物性食品に含まれる鉄の形態です。市販サプリだけでなく、病院で処方される鉄剤もこの非ヘム鉄が使われています。吸収率はヘム鉄より低く、胃腸への負担がやや大きいのがデメリットですが、価格が手頃な製品が多く、コストパフォーマンスに優れています。

フェリチン鉄(植物由来・新タイプ)

フェリチン鉄は近年注目されている新しいタイプの鉄分です。大豆などの植物に含まれる「フェリチン」というタンパク質の殻に鉄が包まれた構造で、植物由来でありながらヘム鉄と同等の吸収率を持つとされています。胃腸への負担も少なく、「非ヘム鉄では胃が荒れる、でも動物由来は避けたい」という方にぴったりの選択肢です。

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項目ヘム鉄非ヘム鉄フェリチン鉄
由来動物性(豚レバー等)植物性(ほうれん草等)植物性(大豆等)
吸収率15〜35%2〜5%ヘム鉄と同等
胃腸への負担少ないやや大きい少ない
価格帯中〜やや高い手頃やや高い
入手しやすさ非常に多い多いまだ少ない
こんな人向き初めての方、バランス重視コスト重視の方菜食主義、胃腸が弱い方

このように、鉄の種類によって吸収率や体感が大きく異なります。「どれでも同じ」と思って適当に選ぶと、せっかくサプリを飲んでいるのに思ったような効果を感じられない、ということにもなりかねません。自分の体質や目的に合ったタイプを選ぶことが、鉄分サプリ選びの第一歩です。

失敗しない!鉄分サプリの選び方4つのポイント

鉄の種類が分かったところで、次は具体的なサプリの選び方を見ていきましょう。ドラッグストアやネット通販で鉄分サプリを探すと、何十種類もの商品が並んでいて目移りしてしまいますよね。ここでは、失敗しないための4つのチェックポイントをご紹介します。

1
鉄の種類と吸収率を確認する

先ほど解説した3種類のうち、自分に合ったタイプを選びましょう。パッケージの成分表示に「ヘム鉄」「クエン酸鉄(非ヘム鉄)」「フェリチン鉄」などと記載されています。とくに表記がない場合は非ヘム鉄であることが多いので注意が必要です。吸収率を重視するならヘム鉄かフェリチン鉄を選ぶのがおすすめです。

2
鉄分の含有量を自分の不足分に合わせる

成人女性の1日の推奨摂取量は10.5mg(月経あり)、成人男性は7.5mgです。食事から平均7mg前後摂取できていると仮定すると、サプリで補うべき量は3〜5mg程度が目安になります。ただし、すでに鉄欠乏の症状がある方はもう少し多めに摂る必要がある場合もあるので、不安な方は医師に相談しましょう。市販サプリは1日分で5〜15mg程度の鉄分を含むものが主流です。

3
付加栄養素をチェックする

鉄分の吸収を助ける栄養素が一緒に配合されているサプリを選ぶと、効率よく鉄分を摂取できます。とくに注目したいのは以下の成分です。

  • ビタミンC:非ヘム鉄の吸収率を最大6倍に高めるとされる重要なパートナー
  • ビタミンB12・葉酸:赤血球の生成に不可欠な栄養素。鉄分と合わせて摂ることで造血をサポート
  • ビタミンB6:ヘモグロビンの合成を助ける

これらの栄養素が配合されている「鉄分+マルチビタミン」タイプのサプリは、単体の鉄分サプリより効率的に働くことが期待できます。

4
安全性の認証と添加物を確認する

毎日口にするものだからこそ、安全性にはこだわりたいところです。以下の点をチェックしましょう。

  • GMP認定工場で製造されているか:GMP(適正製造規範)認定は、品質管理が徹底された工場で製造されていることの証明です
  • 添加物が少ないか:着色料、香料、保存料などの添加物が少ないものを選ぶのが安心です
  • 第三者機関による検査:成分含有量や有害物質の検査を受けている製品はより信頼性が高いです

とくにネット通販でのみ販売されている海外製品は、日本の基準と異なる場合があります。初めてのサプリ選びでは、国内の大手メーカー製品から始めるのが無難でしょう。


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効果が出るまでの時間軸・正しい飲み方・飲み合わせNG・過剰摂取リスク