すぐ実践できる鉄分たっぷりの食べ物を使った献立例
ここからは、これまで紹介した鉄分の多い食べ物と吸収率アップの知識を組み合わせた、すぐに実践できる具体的な献立をご紹介します。「何をどう食べればいいの?」という疑問を、実際のメニュー例で解消していきましょう。
朝・昼・夕で鉄分を意識した1日の献立例
以下は、レバーを一切使わずに1日の鉄分推奨量(10.5mg)をクリアできる献立例です。どのメニューも特別な材料は不要で、普段のスーパーで手に入る食材だけで作れます。
| 食事 | 主な鉄分源 | 吸収を助ける工夫 | 鉄分合計 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | 納豆、小松菜 | オレンジジュース(ビタミンC) | 約3.5mg |
| 昼食 | あさり缶詰 | ブロッコリー・キウイ(ビタミンC) | 約5.0mg |
| 夕食 | 牛赤身肉、がんもどき | 生姜、枝豆(たんぱく質) | 約5.5mg |
| 1日合計 | 約14.0mg |
この献立例では、1日合計で約14.0mgの鉄分を摂取できます。成人女性の推奨量10.5mgを余裕で上回っており、レバーは一切使っていません。しかも、特別な食材や手間のかかる調理は含まれていないので、忙しい方でも続けやすい内容です。
コンビニ・外食でも鉄分を摂るコツ
自炊が難しい日でも、コンビニや外食で鉄分を意識した選択はできます。知っているかどうかで差がつくポイントをご紹介します。
コンビニで選ぶべき食品
コンビニに行ったら、まずチェックしたいのが鯖の塩焼きや鯖の味噌煮です。コンビニのお魚惣菜は手軽にヘム鉄が摂れる優秀なアイテムです。おにぎりならツナマヨや鮭おにぎりを選びましょう。サイドメニューでは枝豆やひじきの煮物が鉄分補給になります。
飲み物では豆乳がおすすめです。調製豆乳1パック(200ml)で約1.2mgの鉄分が含まれています。さらに、最近は「鉄分入り」と表示された強化食品(ヨーグルト、シリアル、ウエハースなど)もコンビニで手に入ります。忙しい日はこうした食品を活用するのも賢い方法です。
外食で意識すべきポイント
外食では、肉を選ぶ際に赤身を意識してみてください。ステーキなら霜降りよりも赤身の部位、ハンバーグならつなぎが少なく肉感のあるものを選ぶと、自然とヘム鉄の摂取量が増えます。
和食レストランなら、定食メニューで焼き魚定食や刺身定食を選ぶのがおすすめです。小鉢にひじきや切り干し大根が付いていればなお理想的です。居酒屋では、あさりの酒蒸し、鰹のたたき、枝豆、冷ややっこなどを意識的に注文すれば、楽しみながら鉄分を補給できます。
中華料理なら、レバニラ炒め(レバーが大丈夫な方はぜひ)のほか、小松菜の炒め物やきくらげの卵炒めも鉄分が豊富なメニューです。きくらげは中華料理との相性が抜群で、乾燥きくらげの鉄分含有量はトップクラスですから、見つけたら積極的に選びたい食材です。
鉄分と一緒に摂りたいビタミンB12・葉酸の役割
鉄分と並んで、貧血予防に欠かせない栄養素がビタミンB12と葉酸です。これらは赤血球を正常に作るために必要な栄養素で、どちらか一方でも不足すると、鉄分が十分でも貧血が起こることがあります。
ビタミンB12は、赤血球の生成とDNAの合成に関わるビタミンです。不足すると赤血球が大きくなりすぎて正常に機能しない「巨赤芽球性貧血」を引き起こします。ビタミンB12が多い食品は、あさり(52.4μg/100g)、しじみ(68.0μg/100g)、レバー(鶏44.4μg/100g)、さんま(15.4μg/100g)などです。面白いことに、鉄分が豊富な食品とかなり重なっています。つまり、鉄分を意識した食事をしていれば、ビタミンB12も自然と摂れるケースが多いのです。
葉酸は、ビタミンB12と協力して赤血球の生成を助ける栄養素です。特に妊娠を考えている女性は、胎児の神経管閉鎖障害を予防するためにも十分な摂取が推奨されています。葉酸が多い食品は、焼きのり(1,900μg/100g)、レバー(鶏1,300μg/100g)、枝豆(320μg/100g)、ブロッコリー(220μg/100g)、ほうれん草(210μg/100g)などです。
| 栄養素 | 主な役割 | 多く含む食品 | 1日の推奨量(成人) |
|---|---|---|---|
| ビタミンB12 | 赤血球の生成・DNA合成 | あさり、しじみ、レバー、さんま | 2.4μg |
| 葉酸 | 赤血球の生成・細胞分裂のサポート | 焼きのり、レバー、枝豆、ブロッコリー | 240μg |
嬉しいことに、この記事で紹介してきた鉄分の多い食べ物には、ビタミンB12や葉酸も豊富に含まれているものが多くあります。あさり、枝豆、ブロッコリー、焼きのりなどは、鉄分・ビタミンB12・葉酸の「貧血予防トリオ」を一度に摂れる優秀な食品です。特別な食品を追加で買わなくても、鉄分を意識した食事を続けるだけで、これらのビタミンも自然と満たされていくのです。
まとめ:毎日の食事で無理なく鉄分の多い食べ物を取り入れよう
鉄分の多い食べ物は、レバーだけではありません。あさり缶詰、納豆、小松菜、がんもどき、枝豆、きくらげなど、スーパーやコンビニで手に入る身近な食品にも、豊富な鉄分が含まれています。動物性食品のヘム鉄(吸収率10〜20%)と植物性食品の非ヘム鉄(吸収率2〜5%)をバランスよく組み合わせ、ビタミンC・たんぱく質・クエン酸と一緒に摂ることで、吸収率を大幅に高められます。食事中の緑茶やコーヒーを控えめにする、ほうれん草は茹でてシュウ酸を除くといった小さな工夫も効果的です。大切なのは「一度にたくさん」ではなく「毎食少しずつ」。朝・昼・夕の3食で鉄分を意識した食品を1〜2品ずつ取り入れれば、レバーを食べなくても1日の推奨量は十分にクリアできます。まずは明日の食事から、あさり缶詰や納豆を1品加えるところから始めてみてください。
