「健康診断で貧血を指摘された」「最近なんだかフラフラする」「鉄分を摂りたいけど、レバーはどうしても苦手……」。そんな悩みを抱えていませんか。実は、鉄分が豊富な食べ物はレバーだけではありません。スーパーやコンビニで手軽に買える身近な食品にも、鉄分をしっかり含むものがたくさんあります。この記事では、動物性・植物性の食品別に鉄分含有量をランキング形式で紹介し、吸収率を高める食べ合わせや、今日から実践できる鉄分たっぷりの献立例まで、まるごと解説します。

この記事でわかること
  • 動物性・植物性食品それぞれの鉄分含有量ランキングと「1食あたりの現実的な摂取量」
  • ヘム鉄と非ヘム鉄の違い、吸収率を最大限に高める食べ合わせの3原則
  • レバーが苦手でも大丈夫な、朝・昼・夕の鉄分たっぷり献立例

鉄分の多い食べ物を知る前に――ヘム鉄と非ヘム鉄の基礎知識

鉄分の多い食べ物を探す前に、まず「鉄分には2種類ある」という基礎知識を押さえておきましょう。食品に含まれる鉄分は、大きくヘム鉄非ヘム鉄に分かれます。この違いを知っているかどうかで、鉄分の摂り方が大きく変わってきます。

ヘム鉄は、肉や魚など動物性食品に多く含まれる鉄分です。体内での吸収率が10〜20%と高く、そのまま効率よく体に取り込まれます。一方、非ヘム鉄は、野菜・海藻・大豆製品などの植物性食品に多い鉄分で、吸収率は2〜5%とヘム鉄の数分の1にとどまります。

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比較項目ヘム鉄非ヘム鉄
多く含む食品肉類・魚介類野菜・海藻・大豆製品
吸収率10〜20%2〜5%
吸収の特徴そのまま吸収されやすいビタミンCなどの助けが必要
代表的な食品レバー、あさり、赤身肉小松菜、ひじき、納豆

「じゃあ、動物性食品だけ食べていれば良いのでは?」と思うかもしれません。しかし、日本人が食事から摂る鉄分の約85%は非ヘム鉄だと言われています。植物性食品は日常の食事に取り入れやすく、量で補うことができるからです。つまり、ヘム鉄と非ヘム鉄の両方をバランスよく摂るのが、鉄分補給の最も効率的な方法なのです。

ちなみに、成人女性(月経あり)の1日の鉄分推奨量は10.5mg、成人男性は7.5mgです。しかし、実際の摂取量は推奨量を下回っている人が多いのが現状です。特に20〜40代の女性は深刻で、推奨量の6〜7割程度しか摂れていないというデータもあります。だからこそ、毎日の食事で意識的に鉄分の多い食べ物を選ぶことが大切なのです。

【動物性食品】鉄分の多い食べ物ランキングTOP10

それでは、まず動物性食品の鉄分ランキングを見ていきましょう。100gあたりの含有量だけでなく、1食あたりの現実的な摂取量も併記しました。100gあたりでは上位でも、実際に1食で食べる量が少ない食品もあるので、この「1食あたり」の数値がより実践的な目安になります。

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順位食品名鉄分(100gあたり)1食の目安量1食あたりの鉄分
1あさり缶詰(水煮)30.0mg50g(小1缶)15.0mg
2煮干し18.0mg10g(味噌汁だし用)1.8mg
3干しえび15.0mg5g(料理のトッピング)0.8mg
4豚レバー13.0mg60g(レバニラ1人前)7.8mg
5鶏レバー9.0mg60g(焼き鳥3本分)5.4mg
6しじみ8.3mg30g(味噌汁1杯分の身)2.5mg
7牛赤身肉(もも)2.7mg100g(ステーキ1枚)2.7mg
8かつお1.9mg80g(刺身7〜8切れ)1.5mg
9まぐろ赤身1.1mg80g(刺身7〜8切れ)0.9mg
101.5mg50g(1個)0.8mg

注目すべきはあさり缶詰です。100gあたり30.0mgという驚異的な鉄分量で、缶を半分(50g)使うだけで15.0mgと、成人女性の1日分をほぼカバーできます。缶詰なので保存がきき、パスタや炊き込みご飯、味噌汁などに手軽に使えるのも大きな魅力です。

また、煮干しは味噌汁のだしとして毎日使えるのがポイントです。だしを取るだけでなく、頭とはらわたを取ってそのまま食べれば、カルシウムも一緒に摂取できます。

レバーは鉄分の含有量が飛び抜けて高いものの、「独特のにおいや食感が苦手」という方も少なくありません。そんな方は、牛赤身肉やかつおなど、くせの少ない食品から取り入れてみてください。赤身の肉や魚は、ヘム鉄を手軽に摂れる優秀な食材です。

【植物性食品】鉄分の多い食べ物ランキングTOP10

次に、植物性食品の鉄分ランキングです。植物性食品は非ヘム鉄のため吸収率は低めですが、日常的に食べやすいものが多く、「量で補う」戦略が取れます。こちらも1食あたりの目安量を添えています。

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順位食品名鉄分(100gあたり)1食の目安量1食あたりの鉄分
1青のり(乾燥)77.0mg2g(トッピング)1.5mg
2岩のり(乾燥)48.0mg3g(トッピング)1.4mg
3乾燥きくらげ35.0mg5g(戻して料理に使用)1.8mg
4焼きのり11.0mg3g(おにぎり2個分)0.3mg
5大豆(乾燥)9.0mg30g(煮豆1食分)2.7mg
6がんもどき3.6mg80g(1個)2.9mg
7納豆3.3mg50g(1パック)1.7mg
8小松菜2.8mg80g(おひたし1皿分)2.2mg
9枝豆2.7mg50g(さやなし)1.4mg
10ほうれん草2.0mg80g(おひたし1皿分)1.6mg

100gあたりの数値を見ると、乾燥海藻類が上位を独占しています。しかし、青のりや岩のりは1回に使う量が2〜3g程度なので、1食あたりの鉄分は1.5mg前後にとどまります。ここで見逃せないのががんもどき納豆です。がんもどきは1個(80g)で2.9mg、納豆は1パック(50g)で1.7mgと、手軽に食べられる割にまとまった量の鉄分が摂れます。

小松菜も優秀な食材です。ほうれん草よりも鉄分含有量が多く、アクが少ないため生でも食べられます。味噌汁の具、おひたし、炒め物など幅広い料理に使えるので、冷蔵庫に常備しておきたい野菜です。

レバーが苦手でも大丈夫!身近な鉄分食品の活用法

「鉄分=レバー」というイメージが強いですが、ここまで見てきたように、身近な食品にも鉄分はたっぷり含まれています。レバーを無理に食べなくても、工夫次第で十分な鉄分を摂ることができるのです。

ここでは、スーパーやコンビニで手に入る「レバー以外の鉄分食品」を、カテゴリ別に整理しました。

肉類で選ぶなら:牛もも肉の赤身ステーキ、牛ひき肉のハンバーグ、鶏もも肉のソテーなど。赤身が濃い肉ほどヘム鉄が豊富です。普段の料理の肉を赤身寄りに変えるだけで、自然と鉄分摂取量が増えます。

魚介類で選ぶなら:あさり缶詰がダントツですが、しじみの味噌汁、かつおのたたき、まぐろの刺身も良い選択肢です。ツナ缶(まぐろ油漬け)は100gあたり約1.0mgと突出していないものの、サラダやサンドイッチに気軽に使えるので、日々の積み重ねに向いています。

大豆製品で選ぶなら:納豆は毎朝の定番にできる手軽さが最大の強みです。1パック1.7mgの鉄分を、ほぼ調理なしで摂取できます。豆腐(木綿)も100gあたり1.2mgの鉄分を含み、冷ややっこや味噌汁で毎日取り入れやすい食品です。厚揚げやがんもどきは、煮物に入れるだけで鉄分アップにつながります。

野菜・海藻で選ぶなら:小松菜、枝豆、ブロッコリーなどの緑の野菜は、鉄分と同時にビタミンCも含んでいるため、吸収率アップの相乗効果が期待できます。乾燥きくらげは少量でも鉄分が多く、中華炒めやスープに加えるだけでOKです。ひじきの煮物も、作り置きおかずとして活用できます。

ポイントは、「1つの食品で大量に摂る」のではなく、「複数の食品から少しずつ積み重ねる」という考え方です。朝は納豆と小松菜の味噌汁、昼はツナサラダ、夜はあさりのパスタ――こうした組み合わせなら、レバーを一切使わなくても、1日10mg以上の鉄分を無理なく摂ることができます。


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吸収率を最大化する食べ合わせ術・鉄分の吸収を妨げる食品