8つの扶助を詳しく解説
生活保護で受けられるサポートは、全部で8種類あります。「扶助(ふじょ)」とは、要するに「困っている部分を助けてくれる制度」のこと。生活費から医療費、教育費まで、幅広くカバーしてくれるんです。
それぞれの内容と支給額を表にまとめました。
| 扶助の種類 | 内容 | 支給方法 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| 生活扶助 | 食費・被服費・光熱費など日常の生活費 | 現金支給 | 約7〜8万円/月(単身・1級地) |
| 住宅扶助 | 家賃・地代などの住居費 | 現金支給 | 上限53,700円/月(単身・東京23区) |
| 医療扶助 | 診察・治療・薬・入院などの医療費 | 現物支給(医療券) | 自己負担なし(全額扶助) |
| 介護扶助 | 介護保険サービスの自己負担分 | 現物支給 | 自己負担なし |
| 教育扶助 | 義務教育に必要な費用(教材費・給食費等) | 現金支給 | 小学校2,600円〜/月+教材費等 |
| 出産扶助 | 分娩にかかる費用 | 現金支給 | 上限306,000円(施設分娩) |
| 生業扶助 | 就労に必要な技能習得費・高校就学費 | 現金支給 | 技能修得費 上限83,000円 |
| 葬祭扶助 | 葬儀(火葬式)に必要な費用 | 現金支給 | 上限212,000円(1・2級地) |
この中でも特に多くの受給者が利用しているのが「生活扶助」「住宅扶助」「医療扶助」の3つです。生活扶助は食費や光熱費などの日常的な出費をカバーし、住宅扶助は家賃を支援してくれます。この2つが受給者の基本的な生活を支える柱になっています。
医療扶助は「現物支給」といって、お金ではなく医療サービスそのものが提供されます。受給者は事前にケースワーカーから「医療券」を発行してもらい、それを持って指定医療機関を受診します。窓口での自己負担はゼロ。通常なら3割負担の医療費が全額カバーされるので、体調が悪いのに「お金がなくて病院に行けない」という状況を防げるんです。
また、子育て中の方には「教育扶助」で義務教育の費用が、働きたい方には「生業扶助」で資格取得の費用がサポートされます。出産を控えている方には「出産扶助」も。「お金がないから学校に行けない」「スキルを身につけたいけど費用がない」といった問題にも対応しているのが、この制度の大きな特徴です。
なお、生活扶助には基本額のほかに「加算」という仕組みがあります。母子家庭の方には「母子加算」、障害のある方には「障害者加算」、子育て中の方には「児童養育加算」が上乗せされます。個々の事情に応じてきめ細かくサポートしてくれるんですね。
生活保護を受けている人の実態
「実際にどれくらいの人が生活保護を利用しているの?」と気になる方も多いでしょう。厚生労働省の最新データ(2025年7月分)をもとに、現状を見てみましょう。
受給世帯数
受給者数
保護率(人口比)
日本の人口の約1.6%、およそ60人に1人が生活保護を利用している計算です。意外と身近な制度だと感じませんか?
どんな世帯が多いの?
受給者の内訳を見ると、実はもっとも多いのは高齢者世帯です。
| 世帯の種類 | 割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高齢者世帯 | 55.3% | うち単身が約51%。年金だけでは暮らせない高齢者が多い |
| 障害者・傷病者世帯 | 25.4% | 病気やケガで働けない方 |
| その他の世帯 | 16.0% | 失業中の現役世代など |
| 母子世帯 | 3.6% | ひとり親で子育て中の方 |
全体の半数以上が65歳以上の高齢者世帯です。「生活保護=働ける年齢の人が受けるもの」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実態は年金だけでは暮らせない高齢者の利用が中心なんです。
なお、受給者数は緩やかな減少傾向にありますが、高齢者世帯の割合は年々増加を続けています。高齢化社会の日本では、今後も重要なセーフティネットであり続けるでしょう。
